第5回目のテーマは「病気で長期に休暇をとることになったとき」。講師は、特定社会保険労務士の小寺佐智子さんです。講座の冒頭では前回と同様に、受講者の皆さんにそれぞれの質問をコミュニケーション・シートに記入する時間をとってから、講義が開始されました。
病気やケガのために休暇をとる場合や、労働災害保険制度などについて、資料を元に詳しくお話しいただきました。
講座内容
1.病気(傷病)の原因
労務災害について
2.どのような休暇があるか
休日、休暇、休業、休職の違い
3.収入の確保
傷病手当金について
高額療養費について
4.保険給付
労災と私傷病との違い
5.万一退職することになった場合
健康保険任意継続
雇用保険失業給付
6.その他
職場復帰支援(Re Work)
テレワークについて
講義の冒頭で、「労働者は法により保護される存在です」とお話がありました。労働基準法や労災保険制度は、労働者の安全や健康の保障に関して雇い主の責任を強く問う側面があります。さらに、傷病手当金など収入保障の制度について解説されるうちに、その意味を実感しました。
近年の新たな動きとして、うつ病などで長期に休業した場合に、職場復帰をスムーズにするための職場復帰支援や、パソコンなど情報通信機器を利用した、場所や時間にしばられない柔軟な働き方(テレワーク)の広がりなどが紹介されました。病気、ケガ、育児、介護などで働き続けるのが困難な状況は、多くの人が直面します。このような多様な働き方の広がりは、才能を活かし収入を得るための選択肢が増えることを意味し、労働者の生活保障の一つと言えるでしょう。
今回の講義では、労働者の生活を支える様々な制度を知って心強く感じました。一方、細かな利用制限もあり、内容自体がわかりづらい印象を持ちました。万一に備えての制度であるからこそ、私たちに情報が届きやすい工夫がもっと必要なのではと感じました。(塚田 恵)
]]>第4回目も午前中に引き続いて、特定社会保険労務士の木村美恵子さんに、
「セクハラ・パワハラの被害者になったとき」のテーマでお話しいただきました。
講座の冒頭では、午前中の講義内容に対する質疑応答があり、その後にセクハラ・パワハラの実態と、被害にあった場合の対処について資料を元に詳しくお話しいただきました。
講座内容
? 職場のパワハラ
Q1.パワハラってそんなに多いの?
Q2.パワハラを受けたことがある人はどのくらい?
Q3.パワハラを受けたら、みんなどうしてるの?
Q4.職場でどういう行為をしたらパワハラに当たるの?
Q5.パワハラとメンタルヘルス不調との関係は?
・パワハラを受けたときの対策
? 職場のセクハラ
Q1.職場のセクハラってどういうことをいうの?
Q2.会社は職場のセクハラ対策をしてくれないの?
Q3.加害者と会社の民事・刑事上の責任
・セクハラを受けたときの対策
平成24年の各都道府県の労働局に寄せられたパワハラに関する相談件数は、平成14年に比べて7倍と急速に増加し、相談が最も多かった職種は、女性は医療・福祉関係であり、男性は不動産業だそうです。
また、パワハラに関する調査によると、4人中1人に被害体験があり、パワハラを受けた人のうち、46.7%は何もしなかったと回答しています。厚生労働省がパワハラに対する指針を定め、セクハラと同様に社会的な認知が向上した結果、相談件数も大きく増加した一方で、パワハラを規制する法律は整備されておらず、被害に対する対策は未だ不完全です。そのような現状も、被害について相談するなどのアクションを起こしづらい要因の1つと感じました。パワハラは、“業務上の指導”との線引きが困難な側面があり、ケース・バイ・ケースで対処する場合が多いそうです。
セクハラの場合は、均等法により、セクハラ対策を講ずることが義務付けられ、大企業においては対策整備が進んでいるものの、企業の大部分にあたる中小企業については未だ対策が遅れています。
パワハラ、セクハラいずれの被害の場合でも、第一に、日時や加害者、場所や状況について、なるべく詳細に被害の記録を残しておくことが重要です。また、孤立するのを避けて信用できる人に相談することは、心身の健康を保つためにも欠かせないことと思われます。
いずれの被害も、当事者の健康面や経済面に大きな障害となり得る重大な問題です。企業側の努力はもちろんのこと、周囲で起こる被害を見過ごさないなど、パワハラ、セクハラを許容しない意識を私たち個人が明確に持つことも、被害を防ぐ大きな要因であると感じました。(塚田 恵)
働きはじめて気になるのが、労働時間です。「上司から残業を命じられると断りにくい」とか「職場の仲間たちに遠慮して、つい働きすぎてしまう…」など、長時間労働を我慢している女性たちの話をよく耳にします。
そういったことにならないためにも、まず大切なのは労働基準法を知っておくことです。ここに定められている労働時間は、大原則として1日8時間、1週につき40時間です。休憩時間についても、労働時間が6時間を超え8時間以内の場合は45分、8時間を超える場合には、1時間の休憩を取ることが決められています。また、労働基準法では、時間外労働・深夜労働・休日労働についても定めがあります。
万が一、残業代の未払いなど、会社からの賃金の支払いに対して疑問や不満を持った場合には、会社と交渉する機会をもつこととなります。その場合、会社の就業規則や給与明細書、業務日報などの資料を準備するのが賢明のようです。
いずれにしても、加重労働は大きな問題です。時間外労働が1か月に80〜100時間を越えると、健康障害のリスクが高まると言われています。「年次有給休暇」は権利ではありますが、自分から請求してこそ得られるものであることも覚えておく必要があります。そして、周りの人たちとうまくやっていくための配慮も大切です。健康診断を定期的に行い、心身を良好な状態に保つセルフケアは、長く仕事をしていくうえで、とても大切なスキルだといえるでしょう。「年次有給休暇」は正社員ではないと取れないのではないか…といったイメージを持つ人も多いと思いますが、パートタイム労働者でも付加されます。疲労を蓄積させないためにも、働く者の権利として、積極的に取りたいものです。(中村設子)
【第4回】
7月28日(日) 13:00〜15:00
ロジカルシンキングを体験する〜具体的手法を使って論理的なスピーチをつくる
講師:本間英彦
講座概要はコチラ
【第3回】
7月28日(日) 10:00〜12:00
視野を広げて考える〜従来の発想から新しい発想方法に挑戦する
講師:本間英彦
ステップ3:視野を広げて考える。〜従来の発想から新しい発想方法に挑戦する〜
?ゼロベース思考で発想を広げる
?ブレーンストーミングで発想を楽しむ
?ピラミッドストラクチャーと話の構築
第2日の最初は、前回の宿題となっていたグループワークの発表です。グループで決めたテーマについて、各グループから一人が代表して、なぜそのように主張するのか、論理を展開しながらスピーチしました。どなたも堂々とした発表でした。
いよいよ、ロジカルシンキングの思考方法にチャレンジです。まずは、これまでの発想をすべてリセットして、まったく新しい発想をすることに挑戦しました。従来の方法を踏襲する考え方は、安心感があり、間違いも少ないかもしれません。ただ、もしすでに行き詰っているのであれば、現状を素早く変えることが求められ、自由な思考・視点が有効的です。そのような力をつけるためのゼロベース思考、ブレーンストーミングを実際に行ってみました。さまざまな制約にとらわれず、自由な発想で物事を考えると、こんなにもいろいろとアイデアが出てくるものだと実感したワークショップでした。
ブレーンストーミングの手法は、わたしも男女共同参画の研修でたびたび活用します。特に大勢の年配の男性の中に少数の女性がいる場合などは、?前例や固定観念にとらわれない、?質より量、?批判せず、議論せず、説明せず、?連想ゲーム ?アイデアは箇条書き というルールは、女性が男性に遠慮しないで意見を言いやすい環境を作り出すようです。
(企画・担当:伊藤静香)
7月27日(土)10:00〜12:00
ロジカルシンキングとは〜ロジカルシンキングの必要性と妨げるもの
講師 本間英彦(経営コンサルタント)
ステップ1:ロジカルシンキングとは。〜ロジカルシンキングの必要性と妨げるもの〜
?オリエンテーション
?ロジカルシンキングとは
?ロジカルシンキングの必要性
?ロジカルシンキングを妨げるもの
?三角ロジックとシナリオ作成
ロジカルシンキング講座の第一日目です。5つのグループに分かれるために、まずは「ジェンダーかるた」で席順を決めました。それぞれ好きな絵のカードをとり、絵カードに記載された頭文字のカードと対の文字カードが置いてある席へ。これは、当センターで時々活用する方法です。受講生のみなさんは、自分が選んだ絵カードと対になっている文字カードに書かれた言葉を興味津々で読んでいらっしゃいました。
さて、講座は受講生全員の自己紹介から始まりました。お名前のほかに、この講座に参加した動機などを交えて1分間でスピーチ。みなさんのスピーチから、受講生の方の多くが、ロジカルシンキングに関心を持って受講されていることがわかりました。さらに、「夫に(わたしの)言っていることがわからないといわれるから、上手に話せるようになりたい」とか、「問題解決の手法として身に着けたい」「本を読んで(ロジカルシンキングについての)知識はあるけれど、実践的にやってみたい」という前向きな方も。そして、「託児があるから」という理由で参加された女性の言葉は、講座担当者として本当に感慨深い、うれしい言葉でした。わたしの子育て時代には、「託児付き講座」などは夢の話で、「子育て中だから受講できない」とあきらめていたのですから。子育て中の女性が託児を利用して自分のスキルを磨く、こういうことが当たり前になったことに改めて「いい時代になったなあ」と思います。
自己紹介の後は、自己チェックシートやグループワークで自分の思考状況を確認しながら、「なぜロジカルシンキングが必要なのか」を理解し、1日目の午前中は終了しました。
(企画・担当:伊藤静香)
★講師の本間英彦さん
気功リラクゼーションの2回目で、連続講座も最終回となりました。この日の名古屋は蒸し暑く、ほとんどの方が身体に熱がこもった状態で、気功をするにはもってこいの日でした。胸や腎臓、腰椎などのポイントをつかって気を発散させていきます。今回は特に、ペアでおこなう気功を体験していただきました。ペアの気功は反応が早く、気の発散の度合いも大きいのが特徴です。気功を受けながら思わず寝てしまう方もいて、終わった後のすっきり感が違います。
2回の気功リラクゼーションで、気功の気持ちよさや普段のセルフケアの大切さを感じていただけたと思います。身体の感覚はうそをつきません。身体の出すサインを尊重して、自分を守り、安全度を高めることにつなげていっていただければと願っています。
気功でリラックスした後は、参加者の皆さんで輪になって、交流会の時間を持ちました。
講座をとおしての感想や、参加した動機のほか、今後やってみたいことなど自由に話していただいて分かち合いました。護身術講師の大沼もと子さんからは、最後に茨木のり子さんの詩の朗読のプレゼントがありました。
講座についてのアンケートでは、講座から役に立つと感じたこととして、直感を信じることの大切さをほとんどの方に挙げていただいています。そのほかに講座から得たこととして、どのように行動するかについては自分で決めてよいことや、何を怖いと感じるかなど、感覚はひとりひとり違うと知ったことなどが挙げられており、今回の連続講座の目的が達成できたと実感しました。
5回にわたる連続講座にご参加いただいてありがとうございました。今回のご縁をきっかけに、参加者の皆さんの様々の活動や交流が広がっていくことを願っております。(塚田
恵)
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