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つながれっとクラブ定期講座ブログ

名古屋市男女平等参画推進センター(つながれっとNAGOYA)で開催された定期講座のブログです。
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「女性の生き方に学ぶ―19世紀イギリスと女性」
 名古屋市男女平等参画推進センター 後期講座
「女性の生き方に学ぶ−19世紀イギリスと英語」

講座概要はこちら

5回:201218日(日) 13:0015:00
講師:藤沢邦子さん (名古屋女性学グループ)


19
世紀を生きた6人のイギリス人女性の人生をひもときながら、当時のイギリスがどんな社会であったかを学び、同時に女性の生き方の多様性を考える講座です。


5回目は、ウェールズに留学されたことのある翻訳家の藤沢邦子さんによる、ウェールズ労働者階級出身のベッスィ・カドワラドゥル(1789-1860)の生き方と、同時代ベッスィと同じような境遇におかれていた女性はどうであったかについてのお話でした。

講座内容

レジュメに沿って、次のような項目で講義をいただきました。
・ベッスィ・カドワラドゥルの生涯
・メイドの仕事
 お勤め(パメラ・ホーン『ヴィクトリアン・サーヴァント:階下の世界』より)
 中流の職場
 上流の職場

・家庭文化を支える多様な家事使用人
・住み込み女性家事使用人の平均年収
・使用人に関する法律の変遷
・救貧法の変遷
・今も続く貧困問題、福祉のあるべき姿は?
Victorian Britain Key Words
・家事使用人の求人広告
・従軍看護婦の合意書
・もっと知りたい人のために(資料の紹介)

まずはベッスィについて…

児童を働かせることが一般的だったため、9才から女中見習いとして働いていましたが、比較的雇い主に恵まれたため英語の読み書きができました。

恋愛もしました。結婚を約束したトマス・ハリス船長が航海中に亡くなった後も、一度伯母の勧めで婚約をしましたが結局破談にし、生涯独身を貫きました。

彼女に言わせれば「それほど好きでない人と結婚して自由を奪われるよりは、メイドとして自立していたほうがよかった」のです。

メイドとしての15年間に渡る船上生活。

60歳を過ぎてから従軍看護婦志願。

クリミアでのナイチンゲールとの確執・・・。 

ウェールズ人気質ともいえる誇りの高さが、ベッスィの生き方に現れているとの指摘にうなずかされました。


また視点を変えて、同時代を生きたメイドの気持ちを歌った詩をご紹介くださいました。この詩は、ビクトリア時代の風潮を反映してかメイドにとって分をわきまえることがいかに大切かを示すものですが、実際は下級使用人の在職期間は短かったのだそうです。階級があきらかで、転職によって昇れる階段であるなら上を目ざしたいというわけでしょうか。メイドを含む家事使用人の種類・階級・年収の比較も見せていただいてそんな風に感じました。


救貧法の変遷で、イギリスで宗教と政治のかかわりが深いことを示す例として、古くは教区ごとの救貧行政がありました。そこでは延々とだれがどのように救済されるべきか救貧の仕分けがなされていたのです。それに続く資料としてご紹介のあったガーディアン紙の見出し「英国暴動:暴徒は福祉受益権を失ってしかるべきか?」では、現代の貧困問題においても年金や生活保護享受に値する貧者と値しない貧者の選別のあることが示唆されており、議論の相変わらず感がクローズアップされました。これがもはやイギリスだけに続く問題ではないことは昨今の状況からあきらかです。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

藤沢さんが、この講座のために資料として持ってこられたたくさんの書籍のなかに、デボラ・フィッシャー著『プリンセス・オブ・ウェールズ』があります。これは藤沢さんご自身が翻訳された本です。このたび、つながれっと名古屋に一冊ご寄贈されました。

石河敦子(名古屋女性学グループ)

 

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